先日、第138回直木賞を受賞した作品です。
旬の話題作を読むなんて久しぶり!(笑)
![]() | 私の男 (2007/10) 桜庭 一樹 商品詳細を見る |
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂
(出版社からの内容紹介)
とても面白く読みました。
読み始めてすぐ、ミステリアスな魅力あふれる冒頭部の力に引っ張られ、2人の過去が知りたくなり、それが順々に遡って明かされていくことにゾクゾクしました。
語り手が次々と変わってそれぞれの内面が覗けるのも良くて。
この辺臭いぞ、と思った伏線は回収されるし、えっちなシーンも書き込んであるし、「血の人形」というキーワードに至ってはちょっといろいろ考えてみたくなりますし、とてもソソラレる。
ドラマティックなストーリーに酔いました。
そして、「父と娘の禁忌」―
こういう題材って、読むほうもスタンスのとり方が難しいんだけど、昔から描かれ続けているモチーフであるし、この時代、漫画やドラマや映画の方が、そんなものもっと簡単にあっさりと(安易にと言ってもいいなあ)飛び越えてしまっている状況であると思います。
なので、それについて書いたことがすごいのではなくて、どうしてそうなったか、という背景とか理由付けをああいうふうに書くことで、一般社会の倫理観・道徳観に対しての落としどころがきちんと作られているということ。
そこがすごいなあ!と思ったのでした。
タブーを描きつつも、エクスキューズは必ずあり、ぎりぎり「嫌悪<悲哀」の感情に着地させる按配がなんとも…。すっごいバランス感覚で乗り切らされた!って感じです。
また、それとも関連して、血のつながりが愛情の根源であるという、当たり前だけど結構怖いリアリズムを追求したような部分も見えて。
自分に似てる子は、かわいい…自分の血を受け継いでいる者だから、愛せる…みたいな―。
りなっこさんも感想に書かれておられましたが、まさに「鎖の(腐野)」論理です。
淳悟が口にする「血の人形」なんて、なんとも強烈にエゴイスティックな言葉。
しかし、「みなし子」という原体験を持つものは、エゴイストにならなくては生きていけないものなのかもしれない…そんなことを一瞬でも思わせられちゃうことの怖さが、優れたフィクションが持つ魔力なのでしょうね。
世の中にはな、してはならんことがある。超えてはならん線がある。神様が決めたんだヨォ


tariko




そうだ、DANZA,買ったよ。ほんとはシンプルなんとか、のほうが読みたかったけど、なかった。(BOOK OFFで買ったから)でも、これも面白かったわ。今までにない感じ。大人の漫画だね。
TBありがとうございました。
…って、ふむふむと読んでいたら私の名前が出てきたのでビックリしつつ、私ってそんなこと書いたっけ?と思って読み返してしまいました。記憶力が…あう。
「血の人形」ね、強烈でしたね。
そして私は、
>一般社会の倫理観・道徳観に対しての落としどころがきちんと作られているということ。
そこがすごいなあ!と思ったのでした。
ここで「そうそう!」と大きくうなずきつつ、こういう風に書けるtarikoさんにも感心してしまいました。
感覚に流されていると、なかなかこういう感想が書けないんですよね〜私。
まあ何しろ、凄い作品でしたね〜。 読後のあの昂りを、またまた思い出してしまいましたよ。
あなたのそんなところが大好きだ!!(笑)
ご期待通りエロいですよん。堪能して〜^^
DANZA、読んだのね♪
うんうん、ほんと、大人の漫画だね。それに、日本の漫画家じゃないみたい。雰囲気があるよね。
あ〜、私もBOOKOFFに漫画仕入れに行きたーい!!
自分のところもですが、「承認後に公開」にしているとちゃんと飛んだかどうか心もとないんですよね。(笑)
「腐野」を「鎖の」と連想したりなっこさんの感想が心に残っていて、読んでみたら本当に絆が鎖のようだ!と思ったので、使わせていただきました〜
大丈夫、私が覚えてますから!(笑)
実は私はこういう書き方しかできない自分があまり好きではないんですよね。(爆)
もっと感覚的な美しい文章を書きたい気持ちがあるのに、書いてみるとぎこちなくなってしまうんですよねえ。
な、なぜだろう…??
いや〜私も酔いました、この作品。
これ桜庭作品の中でも一番好きだなぁ、って思えてしまうその理由はなにか、って考えてみるとtarikoさんも書かれている「血の人形」ってところに何故か耽美さみたいなものが感じられたからなのかな、って上手くいえないのですけど…。
それにしてもtarikoさんの言葉選びの絶妙さに感動です。私も大きく頷きながら読ませていただきました。
私は好き。tarikoさんの文章。
TBさせていただきました。
TBさせていただきました。
ただただ圧倒された作品でした。
まさに真骨頂といった感じでしょうか。
世間では評価が分かれているようですが、
私はとても好きな作品です。
もつれからみあった鎖で繋がれたような二人。
闇の深淵を見たような、眩暈がしそうな読後感を抱きました。
ぬかるみに足を取られて、深淵に沈んでゆくような、
荒廃した感じがなんとも良かったです。
背徳の物語であるのに、
不思議と嫌悪感なく入り込めました。
『桜庭一樹読書日記』を先日読んで、
その中にこの作品執筆中の様子が綴られていたのですが、
あぁ、納得。でした。
爆発せんばかりのオーラが漂っています。
そして爆発の賜物がこの作品なんだぁ、と感動しました。
どこまでも追っかけていきたい作家さんです♪
私は桜庭さんデビューだったのですが、これを読んで他の作品にも興味津々なんです。
次は「七竈」あたりに手を伸ばしてみようかなと…^^
そしてそして、私こそ、リサさんの感受性に満ち満ちたレビューが大好き!
私ももっと右脳で感じたいなあと最近おもってるんです。
いつも、優しい言葉をありがとうございます。
コメント&TBありがとうございます。
Rutileさんの感想も読ませていただきました^^
ほんと、
「不思議と嫌悪感なく」
とRutileさんがおっしゃるように、とても微妙な題材が上手く書かれた作品であるなあと思いました。
文章が美しいんですね。
>『桜庭一樹読書日記』
うわあ、そうなんですか!
それは…私もいつか是非、読んでみたいです!!