GOKURAKU DAYS

 

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映画:西の魔女が死んだ

これは、是非映画館で観たいと思っていた。
原作で描かれているおばあちゃんの家や畑、マイサンクチュアリがどんな風に映像化されているか見てみたかったから。行けて良かった。



梨木香歩が1994年に発表した小説「西の魔女が死んだ」は、“魔女”と呼ばれるイギリス人の祖母と、中学生になったばかりの孫娘が織り成す驚きと愛に包まれた物語。小学館文学賞、日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞など数々の賞に輝き、長く愛され、そして読まれ続けてきた。そんな珠玉のストーリーを『8月のクリスマス』(2005)の実力派・長崎俊一監督が映画化した。豊かな緑に彩られたおばあちゃんの家で、少女が毎日を楽しく生きる“力”を取り戻していく姿を感動的に描き出す。(yahoo!映画イントロダクションより)




・・・・・・・・・・

映画の内容は概ね原作に忠実だったと思う。だから、大きな驚きを得ることは無かったけど、役者さんの演技を見る楽しみ、というのもあるんだなあと思った。まいが時々見せる子供らしい笑顔は可愛かったし、まいを平手打ちした瞬間のおばあちゃんの表情にはぐっときた。その後の、無力感に打ちひしがれた様子にも。


そして、美術はやはり素敵だった。パンフレットを読んだら、この家のイメージは「おじいちゃんがおばあちゃんのために作った家」なのだそうだ。「洋と和の長い年月をかけて醸し出す自然な融合」。うん、確かにそんな風に見えた。
そして、素敵だっただけじゃなく、細かなディテールに喚起されて、色々な風景が私の中に蘇った。たとえば、ワイルドストロベリーのジャムを作るときに使った、庭のかまど。かまどにくべる薪。薪を積んでおく小屋。


私の母方の祖父は、山間の小さな町で和菓子屋をしていて、和菓子は、家の裏手にある工場(こうば)で作っていた。工場にはかまどがあり、薪をさして焚き付け、鉄鍋をおいて水あめを煮たり、あんこを煮たりしていた。
商売柄掃除も大事で、祖母は朝は起きて顔を洗ったらさっそくハタキがけ、掃き掃除、廊下の雑巾がけ、工場と店のモップがけをする。私たち兄弟は小学生のうちは毎年、夏休みは祖父母の家へ長期滞在するのが恒例だったので、もちろんそれらの仕事を手伝ったものだ。(まいほど一生懸命はやらなかったけど…)
彼らは働き者で、愛情深かった。夏休みの終わりが近づき、親元に帰る日、私たちを見送るおじいちゃんとおばあちゃんの目は、いつもうるんでいた。
そんな祖父母が、この世にいなくなってからもうずいぶん経つ。祖父母と過ごした風景をこんなに細かく思い出せたのは本当に久しぶりのことで、これは原作を読んだときには味わえなかったことだった。視覚刺激ってあるんだなあ。映画の強みを実感したような気がする。


ストーリーについては、原作本の感想の方をご覧下さい。→こちら


手嶌葵が歌う主題歌。好き過ぎる!


【追記】
余談ですが、先日の日記にkyokyomさんからいただいたコメントでターシャ・トゥーダーさんのお名前を知り、検索してみて彼女が「若草物語」の挿絵なども手がけた絵本作家であることを知りました。そして、彼女の生活こそがまるで「魔女」そのものではないか、とも思ったのでした。もしかしたらおばあちゃんのモデルはこの方なのではないか、と。
そのターシャ・トゥーダーさんは、この映画の公開直前、6月18日に92歳で永眠されたのだそうです。
彼女の魂も、体から解き放たれたのでしょうか。
二人の魔女の死に想いを馳せた、映画館からの帰り道でした。
⇒「Tasha Tudor's Memorial Website

■ コメント

おはようございます〜

さっそくやってきてしまいました。
うんうんうん、と頷きながら読ませていただき…。
tarikoさんが前にチラッと書いていらしたご自身の思い出に重なるところでは、素敵な子供時代がおありでしたのね…と羨ましくなりましたわ。
ああ、私も主題歌好きです!

ところでターシャさんですが、私もあまり詳しくは知りませんが作家の長野まゆみさんが、
「あの暮らしぶりは、ブルジョア出身ならではの、ぜいたくさで、とても庶民には真似できない(なんとなく賢治と通じるところあり)。」
とブログに書かれているのを読んで、なるほどねーと思いました。 私も何となく、そういう違和感もあるんですよね。

http://kotorico.exblog.jp/9214044/

書店で本を見かけてパラパラめくってみても、生活が美し過ぎてただただ圧倒されてしまいます。 
おばあちゃんのモデル…、ふむ。梨木さんがターシャさんをご存知なら、入っているのかも知れませんね。

ええ!?そうだったのですか。知らなかった。あれは追悼番組だったのかなあ。
tarikoさんの子供時代の思い出はすてきですね^^
きっと一日中外を走り回って真っ黒になったのじゃないでしょうか。
りなっこさんのコメントを読ませて頂いてなるほどなあと思いました。僕もターシャの写真集を見るたびにきれいすぎるなあって思っていました。ただああいう昔は皆当たり前にやっていたことが今では逆に贅沢になっているというところが面白いことでもありますね。

りなっこさんへ

わー、早速書き込んでいただいてありがとうございます。^^
祖父母の家での時間は、今になってみると良い経験だったのだなあと思えますね。
当時は、毎日かわりばえしなくて退屈だなあという気持ちもあったのです。^^;

長野まゆみさん、ブログを書いてらっしゃるんですね!
わはは、ブルジョア…^^
そうそう、賢治もお坊ちゃまでしたものね。
理想を追える、というのはある種選ばれた人たちだけなのかもしれませんね。
とはいえ、その理念や志を形にして(しようとして、かな?)見せてくれた功績というのは確実にあると思います。
それを涎をたらしながら見上げるのも、庶民の楽しみ、というか…(笑)

kyokyomさんへ

私は日に焼けると真っ赤になって熱をもってしまう体質なのですー。綺麗に日焼けできたことがない。(涙)
でも、そうですね、虫取り、釣り、川遊び、海水浴…と、泥だらけになって遊ばせてもらっていたように思います。感謝しないと、ですね。

ターシャさんの番組は、生前に特集が組まれていたそうなので、訃報を受けて再放送していたのかもしれませんね。
いやあ、あの暮らしぶりは目の保養になりますわー。

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